うつ病・うつ状態等が治らない人のための集団認知行動療法

認知行動療法コミュニティルーム(千葉県市川市)

認知行動療法の例

Aさん 学校卒業後に就職しましたが、1年3か月後にうつ病で休職。なかなか回復できずに「こんなことではダメだ。会社や家族に迷惑がかかる。しかし、どうしたらよいのだろう」と不安と焦りの毎日を過ごしているところ、会社の人事の勧めでカウンセリングルームで認知行動療法を受けることになりました。
認知行動療法を受けることによって、自分がダメだとはせず、徐々に徐々に自分を受け入れる考え方ができるようになりました。それとともに、不安や焦りも軽くなり、次第に会社へ復職する意欲と体力が回復して無事復職することができました。
Bさん ある日、就職活動中に電車に乗っていると突然パニック発作に襲われました。その日以来、「また発作が起きてしまうかもしれない」と思い電車が怖くなってしまい、就職活動が思うように進みません。そこで、パニック発作について認知行動療法を学んでみました。最初は、電車のことを考えるだけでまた発作が起きるような気がして怖かったのですが、まずは、目的地まで検索する、駅まで行ってみる、ホームに降りてみる、一駅だけ乗ってみる………と、徐々に試してみたら今では、「たまに発作は起こるけれども、就職活動に支障がでるほど怖くはない」と思うことができるようになりました。

 

認知行動療法とは

認知行動療法は心理療法の一つで、近年多くの場所や施設で用いられています。特に、軽度~中度のうつ病にもっとも効果のある方法のうちの一つと言われていますが、うつ病以外の様々な精神疾患にも応用されています。

認知行動療法では、「焦り」とか「ドキドキ」などの「気分」は、ある「出来事(状況)」が引き起こしているのではなく、その間にある「認知(思考)」(あるいは「行動」)が作り出すと考えています。

例えば、ある人は
職場で上司がなんだか険しい顔をして立っている………(出来事)
「自分の失敗が原因で怒っているに違いない」………(認知・思考)
不安・恐怖・ゆううつ が強い………(気分)

ところが、別の人は
職場で上司がなんだか険しい顔をして立っている………(出来事)
「なんか体調でも悪いのかなぁ?」………(認知・思考)
不安・恐怖・ゆううつが弱い ………(気分)

出来事や状況が同じでも、考え方が違うと気分も変わってきます。また、気分は認知や思考、さらに行動や身体とつながっています。
イヤな気分が出てきたら、そのイヤな気分をを変えようと努力するのではなく、認知や思考、行動、身体を変えること(認知・行動の修正)によって、イヤな気分を軽減させることを目指していきます。

     

うつの改善を目指す認知行動療法

イヤな気分が発生してしまうような考えを持ってしまうことは、人間にとってごく当たり前に起こる現象です。焦りや不安が起きることで、これから先に起こりそうな最悪な状況を想像でき、それに対して前もって対処するための行動をとることができます。そのため、イヤな気分も生きていくために必要なものといってよいでしょう。

しかし、強すぎるイヤな気分をずっと感じていたり、最悪な状況の想像がずっと続いていたりすると、心の負担が大きくなりすぎて、精神的なバランスを取ろうとする脳の働きが過剰になり、やがて脳が疲労して感情をコントロールする機能や身体を動かそうとする意欲などが低下してしまします。

うつ病はこのようにして、脳のコントロール機能が低下してしまった状態だと考えられます。うつ病の状態だとますます最悪な考えやイヤな気分が強くなり、辛くて苦しい状況から抜け出しにくくなります。

脳の負担を減らして、脳機能の回復を目指すためには、気分のコントロールを行うのではなく、気分につながる考え方を修正していこうとするのが認知行動療法によるうつの改善を目指す考え方です。

認知行動療法の具体的な流れ

認知行動療法はいろいろな心理療法の技法が組み合わされており、ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)やマインドフルネスといった次世代型の認知行動療法なども登場しています。

一般的な認知行動療法の手順としては、
・ ある困った出来事の場面で瞬間的に出てきた「気分」「感情」に気づく
・ この気分と共に勝手に・瞬間的に浮かんできた「認知(思考)」を「自動思考」と呼ぶ
・ 自動思考に対して、より現実的な考え方、あるいは行動を探す
・ イヤな気分にならない新しい考え方、あるいは行動を練習する

標準的な認知行動療法によるカウンセリングでは、約16回程度にわたって面談が行われますが、もちろんその人の悩みや程度によって個人差は発生していきます。

イヤな気分にならない新しい考え方や行動は、スキルとして身に付けていくことを目指していくので、練習が必要となり、「宿題」という形で実生活に結びついた練習を行っていきます。

一度スキルが身に付いたら、他のイヤな出来事や気分にも応用できるようになるので、「うつ病予防」としての効果も期待できます。

独学でも学べますが、慣れるまでは専門家(精神科医や臨床心理士など)と一緒に行った方がよりスムーズに身に付けることができるでしょう。

個別と集団の違い

認知行動療法を学ぶ上では、個人で学ぶよりも、集団で学んだ方が気づきが多いとされています。
新しい考えや行動を探すときに、他の人のアイデアが参考になったり、反対に、自分の何気なく考えていたことが他の人へのギフトになったり、グループでの相互作用という形で認知行動療法の学びが活性化していきます。

また、同じような悩みを持つ人が集まったときに、お互いのスキル獲得の進行状況を確認し合うことで、学ぶ意欲が保たれやすくなり、目標にたどり着きやすくなります。

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